大本営発表は国を滅ぼす(3月16日付朝刊5面「日銀『景気、年後半に回復』」に思う)
日銀は15日に開催した金融政策決定会合で、景気の現状について「緩やかに拡大している」との判断を維持した。個別には、海外経済、輸出、国内生産の3分野で判断を引き下げただけに、各論では景気が弱含みだと認めつつ、総括判断を据え置いた整合性が問われる。景気の先行きが弱いことを認めれば、刺激策としてさらなる金融緩和が求められるが、既にマイナス金利にまで踏み込んでいる日銀にその余地はほとんどない。やせ我慢をしてでも、景気は拡大中との見解を維持する姿は、第二次世界大戦中の大本営発表とも重なって見える。日銀は日本の金融政策の担い手であり、その施策が実態に合わないと、古くはバブル経済を引き起こしたように、国の経済に決定的な打撃を与えかねないほどの影響力を持つ組織だ。であればこそ、その判断は政治的な意図に左右されず、誠実に事実を直視した結果であってほしい。思い込みや、建前による強引な政治は、国を滅ぼすことになりかねない。
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