安価な公共住宅供給は政治の責任(1月22日付朝刊9面「Z世代 住宅ローン35年超」に思う)

今や住宅ローンは50年も当たり前、借入額の年収比は平均7倍という。7倍借りて家が買える人はいいが、特に首都圏では多くの人は10倍でも難しい。借りられたとしても、一生ローン返済に追われる上、返済計画が狂えば住むところを失うリスクもある。家族も一緒に転居する場合は一括返済を迫られることもある。日本人の持ち家志向は昔からだが、政府の住宅政策が持ち家に偏り過ぎているのも問題だ。

諸外国では、若いうちは安価な公営住宅に住み、収入や家族構成の変化に伴って、住居をグレードアップしていく生き方が一般的だ。住むところはなければ生活に困るが、特に若い間は住居費が高すぎると生活出来ない。だから政府や自治体が公営住宅を若者や低所得者向けに提供することが必要となる。ところが日本では住宅ローン控除など持ち家取得に対する公費の投入は継続的に行われているのに、公共住宅の提供はURなどに委ねられ、ほとんど話題になることがない。

繰り返すが、誰もが家を買えるわけでは無いし、買いたい人ばかりではない。今さら大規模な公営団地を建てろとは言わないが、空き家活用やリノベーションなどの手法も活用すれば、良質で安価な公営住宅を提供は可能だ。政府は持ち家政策への偏重を改めて、公営住宅供給にも力を入れてもらいたい。

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