本気で闘わなければ変わらない(2月26日付朝刊21面「実質賃金上昇のカギとは」に思う)

本日の大機小機が指摘する通り、実質賃金を上げるには生産性向上が必要だという論理は、身を切って賃金を上げたくない経営者側の理屈だ。そもそも日本の生産性は賃金水準ほど低くない。日本で実質賃金が伸びないのは、交易条件の悪化と労働分配率の低さによる。
交易条件の悪化は、一部の輸出大企業を支えるため、政府日銀が意図的に円安誘導をしてきたことが大きな原因のひとつ。これを改めるべきだとのマグマは溜まってきており、国民全体で円安の対症療法でなく、根本的対策を求めていく必要がある。

最後に残るのが労働分配率の低下。上場企業が毎年のように史上最高益を更新しているのを見れば、上場企業に分配余力があるのは明らかであり、労働者と中小下請け企業に利益を分配させることが必要。とはいえ、大企業は政府や経済団体がお願いしたくらいで、自ら利益を手放すようなお人好しではない。

となれば、労働者や下請け企業が本気で闘うしかない。昔は業種をまたぐ大規模ストライキがよくあったが、政権と大企業べったりの連合にはイニシアチブは期待できない。しかしストライキは労働者の権利であり伝家の宝刀。少なくともこの刀を研ぎすまし、抜く構えを見せなければ、弱いものたちはずっとなめられ続けるばかりだ。

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