食料自給できない国は滅ぶ(2月27日付朝刊24面「食品輸入10兆円時代」に思う)

日経にはよく食品輸出の話が出るから、輸出入が拮抗してきたのかと思いきや。食品輸入は10兆円を超え、輸出額のおよそ9倍とか。窓の外を見れば、都市近郊なのに、いやそれだからか、耕作されずに値上がりと転用を待つ農地が目に入る。
いったん有事となれば、どんなに金を積んでも食料を輸入するのは難しくなる。それなのに米以外の食料は圧倒的に輸入に頼っている。放置された畑は随所に見られ、国内に生産能力がないわけではない。輸入の方が安くて便利だから、国内で生産する意欲が湧かないのか?

しかし工業製品と違って、有事にいざ増産と大号令がかかっても多くの農産物は、簡単に増産できるものではない。放置された畑を再利用するのは大変だし、栽培のノウハウを持った人も減っている。野菜の種も大半を海外に依存している。肥料や農業資材の多くも同じ。いったいこの国の人々や政府は、食べることをどう考えているのか。

その昔、狩猟や採取でその日暮らししていた社会が、耕作を覚え、余剰作物が富として備蓄されるようになった時に国家が誕生した。食をないがしろにする国家は滅亡の危機に瀕する。

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