結婚すると夢がなくなるか?(3月4日付朝刊5面「児童手当て、見えぬ効果」に思う)
少子化対策が効かない。まだまだ不十分とはいえ、国や地方の財政規模は増えているのに、出生率は上向く気配がない。金銭による支援策や、産休の拡大などは、子育てには寄与するが、それで子を持とうと考えるかどうかとは別次元なのか?
本記事で未婚の若者の51.1%が「結婚すると夢がなくなる」と回答したとある。若者の夢とは、ひとりでかなえるものなのだろう。確かに我々が若い時の夢も多くは、○○になりたい、とか○○に行きたいとかだったから大きな口はたたけないが、それでもその夢の周囲に、家族や親戚、ご近所さん、友人などがいて、おぼろげにもコミュニティの中で夢をかなえるというか、お互いが支えあったり、切磋琢磨したり、喜びあったり、悲しんだりというイメージがあった。
それが今はどうだろう。小さな時から自己責任を教え込まれ、家族や親戚、さらにはコミュニティにも迷惑はかけない。ひとりで世の中と対峙しなければならない。となると余計なしがらみは抱え込みたくないと思うのだろうか?人類がこのように発達した大切な要素は、集団で生きる、社会を構成することを覚えたからと言われる。すぐには何もできない赤ちゃんとして産まれてくるのがその証左だ。であるなら、家族や親戚や友人やコミュニティのなかで、生きる、夢をかなえることができる社会を作ることこそが、次世代を産み育てる大前提になるのではないか?

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